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2007年12月

2007/12/23

<書評>夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代

 最近歳のせいか過去を振り返ることが多くなってます。そんな中で手にした二冊の本。まずは、「夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代」(阿久悠・著)。

70年代は歌謡曲の黄金時代だった。テレビ番組「スター誕生」は、百恵、淳子、昌子の「花の中三トリオ」をはじめ、数々のスターを産み出し、一大ムーブメントを巻き起こした。60年代後半からGSブームやピンク・レディー、小泉今日子らアイドル全盛時代を作り上げた阿久悠による同時代ドキュメント。

 私には姉が一人いるんですが、ほんとうにジャストミートなのは姉の世代かと思います。でもまあその頃はTVは一家に一台だったんで、一緒に見てました。「スター誕生」なんて呼んでません、「スタ誕」がしっくりきます。

 本を見ると、番組はずいぶん長く続いていたみたいですが、記憶にあるのは初期の頃(その頃は当然そう思ってませんが)ですね。淳子ちゃん、百恵ちゃん、昌子ちゃんの中学生トリオ。欽ちゃんが「淳子ちゃーん、りんごォ。百恵ちゃーん、桃ォ。昌子ちゃーん...芋の煮っ転がしィ。」とか言って母親が物凄くウケてたのを覚えてます。

 ピンク・レディーは凄い人気でした。でも、あれは女の子向けで、思春期を迎えてない男の子には今ひとつ響きませんでした(大人の男性がどうだったかはわかりませんが)。今で言えば「プリキュア」みたいなものでしょうか。「明星」とかに振り付けの分解写真とか載ってたんですよね。それで女の子が皆で真似して。だから、いつの間にかいなくなっても、別に気になりませんでした。

 ただ、文章の中で、当時私も思ったナアというのがひとつ。

 その当時、テレビの歌謡番組を見ながら、何とも不思議に感じていることがあった。  たとえば、オープニングにしろ、フィナーレにしろ、出演歌手が勢ぞろいした時のピンク・レディーの立つ位置のことで、彼女たちは、ほとんどの場合、真中を避けて、目立たない端っこに、具合悪そうな顔で立っていた。

 そう、人気絶頂の時でも、ピンク・レディーは端っこだったんです。あれは不思議でした。

 それで、ピンクレディーの後も、小泉今日子や中森明菜なんかがこの番組でデビューしているんですが、ハッキリ言って印象がありません。たぶんその頃には、「スタ誕」はその役目を終えてたんだと思います。だって、松田聖子が登場しましたから。

 「スタ誕」は私の年代より少し上。でも「松田聖子」はドンピシャです。そして、彼女は日本の歌謡曲を変えてしまうのですが、それはもう一冊の本、「松田聖子と中森明菜」(中川右介・著) のメインテーマとなります。

 こちらは後日別に書くとして、「夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代」の印象を一言で表すと、「阿久悠の自慢話」でしょうか。懐かしさに浸れる、読み応えのある自慢話です。


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